新たな分野への挑戦

 本学が「地球環境工学」および「地域未来デザイン工学」両学科での教育・研究を進める中で、2019年、本センターは「環境」および「エネルギー」研究を推進するセンターとして、特徴であり強みでもある表層型MHに関する取組みを深化・発展させ、研究実施体制を刷新しました。
 下に示すとおり、新体制では「SDGs」(持続可能な開発目標)や「地域循環共生圏の創造」(第5次環境基本計画、平成30年)への幅広い貢献をも見据え、8分野による新たな体制を立ち上げて研究を開始しています。


持続可能な社会への貢献を目指して

 本センターは、今後も基盤研究として表層型MHの生成環境・機構およびGHの物理化学的特性等の解明に向けた研究を進めます。また、工学利用に向けた応用研究そして産業に貢献し社会を豊かにする技術開発と実用化を目指した研究も進めていきます。
 エネルギーの地産地消等、これまでと違うエネルギー循環等も期待できるかもしれません。今後も本学の方針と戦略の下、そして地域の皆さまのご理解とご協力の下に研究を進め、地球環境の保全と持続可能な利用そして地域の特性と資源を生かし自立・分散型の持続可能な社会形成と地域循環共生圏創造を目指した取組みを推進していきます。 


GHの工学利用に向けた研究(9)

GHの結晶特性の応用として低炭素資源の利活用および新たな貯蔵・精製技術の創出に向けた研究を推進

計算化学によるGHの物性研究

GHの物理化学的測定に対応する第一原理計算を行い、実験と計算の両面からGHの物性の解析等の研究を推進

人工系GH研究(10)

GH結晶へのメタン等の
ガス包蔵性や生成過程
など、天然MHの理解につな
がる物理化学的特性等の基盤的研究を推進

バイオ研究(11)

表層型MH存在環境等で発見した微生物機能の応用として、冬場の排水処理効率向上や冷凍食品の品質向上を目指した研究を推進

音響探査データのAI自動分析手法の研究

海底の表層型MHの産状や海洋温暖化の影響評価を目指して情報通信研究を推進

表層型MH実用化を見据えた技術開発(12)

民間企業との共同研究として海底の表層型MH採取技術等の実用化に向けた取り組みを推進

北極圏の気候・環境変動
の研究(13)~(15)

新たな商船航路として期待される北極
海や温室効果ガス放出が懸念される永久凍
土に関する取り組みを、リモートセンシングの高度化や北海道沖オホーツク海および北極海そしてアラスカでの研究実績等を基に推進

地域の環境・特性の把握と発展に
関する研究

自然環境の保全や生活環境の維持・向上を目指し
北海道および北見市を中心とした周辺自治体との調査・
研究を通した行政への提言や、地元企業と次世代環境技術を見据えた研究開発を行うなど、地域社会の接続可能な発展に向けた取り組みを推進

(9)公益財団法人北海道科学技術総合振興センターの理事長賞を受賞、木田真人、2018年9月28日、本学ホームページ。
(10)本学大学院生が学生優秀発表賞を受賞、八久保晶弘、2019年1月9日、本学ホームページ。
(11)本学大学院生がThe 14th Asian Congress on Biotechnology(ACB2019)で優秀ポスター賞を受賞、小西正朗、2019年7月10日、本学ホームページ。
(12)株式会社三井E&Sホールディングス、三井E&S造船株式会社と本学との共同研究において表層型メタンハイドレートを模擬した氷試験体の製作に向けた研究を開始、山下聡、2019年9月13日、本学ホームページ。
(13)氷海環境研究室が海上保安庁第1管区海上保安本部より感謝状、舘山一孝、2019年9月30日、本学ホームページ。
(14)北極圏の気象観測で台風の進路予報が向上、佐藤和敏、2018年8月30日、本学ホームページ。
(15)世界で初めて地下氷から北極海の海洋環境の復元に成功、大野浩、2019年4月3日、本学ホームページ。