メタンハイドレートとは?


メタンハイドレートの構造
 メタンハイドレートは低温・高圧で安定な氷状の結晶固体で、水分子が作るカゴ状のフレームの内部にメタンガス分子を包有しています。こうした結晶は、一般にクラスレート・ハイドレート(包接水和物)あるいは単にガスハイドレート(気体水和物)と呼ばれ、内包するゲスト分子の種類や温度・圧力条件に依存して結晶構造が変わります。
 水分子が作る基本的な「カゴ状の構造」には、12面体、14面体、16面体、20面体などの種類があります。例えば、12面体と14面体が隙間なく組み合わさると格子定数約12Å(オングストローム、1オングストロームは百億分の一ミリ)の立方晶系の結晶「クラスレート・ハイドレート構造I型」となり、また12面体と16面体が組み合わされると格子定数約17Åの立方晶系の結晶「クラスレート・ハイドレート構造II型」となります。
 これまでの研究によれば、メタンハイドレートや炭酸ガスハイドレートはI型、プロパンハイドレートや空気(窒素および酸素)ハイドレートはII型の構造をとることが知られています。


メタンハイドレートの分子模型。
赤い粒子が水分子、
テニスボールがメタン分子。

メタンハイドレートのある場所
 メタンハイドレートは、海底堆積物中や永久凍土層中など低温・高圧下で天然に存在しています。採取直後に点火すると解離したメタンガスが炎をあげて燃えることから、「燃える氷」、「燃える雪玉」とも呼ばれています。
 地球表層でガスハイドレートとして貯蔵されているメタンガス量は、在来の化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)の埋蔵量の約2倍とも試算されていて、未利用エネルギー源として注目されています。メタンハイドレート鉱床の世界分布のうち、日本近海では南海トラフ(四国から東海沖)、上越海盆(日本海)、千島海溝(十勝から日高沖)、オホーツク海(網走沖)などでその産状に関する研究が進められています。
 環境・エネルギー研究推進センターでは、オホーツク海のメタンハイドレートに注目しています。オホーツク海サハリン島沖はメタンハイドレートの宝庫として知られており、ロシア・韓国の研究機関との国際共同研究が進行しています。
 また一方では、ロシア・ベルギーの研究機関とともにバイカル湖の湖底堆積物中に存在する天然ガスハイドレートに関する研究を進めています。天然ガスの主成分であるメタン以外にもエタンやプロパンが含まれ、これらが結晶構造を変化させることが知られています。



メタンハイドレートの燃焼の様子。